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メンバー

A02班 清水

計画概要

分子生物学的解析に基づくプラズマ誘起細胞増殖・腫瘍細胞死誘起メカニズムの体系化

内容

研究代表者 清水 伸幸 (国際医療福祉大学 山王病院 教授) HP
研究分担者 浜窪 隆雄 (東京大学先端科学技術研究センター
 計量生物医学 教授)
HP
張  京浩 (東京大学医学部附属病院
 麻酔科 講師/医療機器管理部 部長)
HP
HP
山下 裕玄 (東京大学医学部附属病院 胃食道外科 講師) HP
研究協力者 早田 敬太 (東京大学先端科学技術研究センター 計量生物医学)  

 

 マイルドプラズマによる止血装置のプロトタイプを使用した動物実験における止血能力や癒着軽減といった現象は、患者にとって望ましいものの、そのメカニズムについては不明な点が多い。本研究グループでは、プラズマ機器が実臨床の場で用いられるために欠くことのできない、正常組織や炎症組織に対するストレスが引き起こす様々な病態の体系化を目指す(Fig.0)。

 プラズマ照射が細胞に及ぼす影響、中でも(1)蛋白修飾に対する影響、(2)細胞増殖を惹起するメカニズム、(3)腫瘍細胞死を誘発するメカニズムについて、明らかにしていく。これらに関して培養細胞と小動物を利用した動物実験を行い、ターゲッテッドプロテオミクス等の分子生物学的手法を用いて解析する。

 本班では池原班班員の榊田研究室で作成されたマイルドプラズマ照射装置および領域代表堀勝教授研究室のプラズマ照射装置『はばひろ』により作成したプラズマ照射液体培地を使用して、(1)シグナル伝達、特にレドックスシグナリングに対するプラズマ照射の影響の解析、(2)プラズマ照射が細胞増殖を惹起するメカニズムの解明、(3)プラズマ照射が腫瘍細胞死を誘発するメカニズムの解明を中心に、プラズマ―生体相互作用に関する分子生物学的理論検討と体系化を進めている。

 またマウス腹腔内癒着モデルを確立して測定目標となるサイトカインの確認をするとともに、プラズマ照射液体培地の腫瘍細胞に対する影響を検討し、多くは過酸化水素投与で模倣できる変化であるが、過酸化水素では説明のできない部分があることを示してきた。

 本研究グループで行う実験はタンパク質の修飾に対するプラズマの影響に関して、蛋白質・細胞レベルの反応に重点をおいて検討するが、他の研究班で行われる分子レベルでの解析・組織レベルでの解析結果を総合的に捉えることにより、プラズマ照射の生体に対する影響がより詳細かつ統合的に解明されるものと考えられる。さらに、A01班の工学的・物理学的検討とA03班の治療科学への応用研究と相まってプラズマの医療現場への導入が促進されることが期待できる。

 

Fig.1: マイルドプラズマ照射後の病理像.マイルドプラズマを用いた止血操作による止血部位の周囲へ及ぼす組織損傷の範囲が極めて限局的であることが示されている。

Fig.2: ターゲテッドプロテオミクスの概要.優れた抗体が必要であるものの、注目した分子の細胞内での動向を調べることができる。

Fig.3: マウス腹腔内癒着モデルにおけるPTX3の局在.本班で確立したマウスモデルの組織標本でPTX3の発現パターンを検討している。その他に血中のサイトカインレベルの検討も進んでいる。

Fig.4: プラズマ照射液体培地(PAM)の効果.MAP kinaseの各阻害剤の前処理はPAM惹起性細胞障害を軽減しないが、catalaseで前処理すると細胞障害性は著明に軽減した。この結果、PAMの細胞障害性がプラズマ照射により生成されたH2O2に由来する部分が大きいことが示唆された。

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